全国各地の旅ランコースあれこれ 続編2
- 南部 哲郎
- 2022年11月30日
- 読了時間: 5分
更新日:2022年12月1日

<前回に続いて全国各地、私の秘密のランニングコース続編2です。おすすめのとっておき朝ランコースをご紹介します!イメージトリップもお楽しみください>
【青森】定番は港湾エリア。港を囲む青函連絡船・八甲田丸、ベイブリッジ、海に突き出した桟橋を巡るコースは潮風に吹かれて心地よい。晴れていれば遠くに岩木山・近くに八甲田山が望める。桟橋の釣り人に釣果を尋ねるのも楽しい。少し足を延ばして東に向かうと合浦公園がある。穏やかな砂浜が広がる海水浴場で、波打ち際を走ることができる。ラッセラー!ラセッラー♪
1日あれば市内からバスに乗って、酸ヶ湯温泉と八甲田山をめぐる日帰りトリップが超おすすめ。酸ヶ湯温泉を起終点に反時計回りにぐるりと八甲田大岳(1585m)をトレラン。とりわけ紅葉の毛無岱の高層湿原は誰もが歓声をあげる絶景。天空の楽園は錦秋の別天地である。下山後は酸ヶ湯温泉の混浴千人風呂で汗を流そう。
【山形】まずは山形城址・別名霞城公園の周回コースが入門編だ。地元自慢の名将・最上義光公が築いた城郭は広大で、城内外に縦横無尽にランニングコースがとれる。1~3キロ程度の周回コースを自由自在に楽しんだ後は、近くにある気楽に利用できる陸上競技場「あかねヶ丘」に向かおう。地元ランナーと一緒に自主練するのも一興。またこの街は市内あちこちにレトロ建築が点在する。花笠祭りヤッショ!マカショ♪のメインストリート七日町は中心街で、旧県庁・議事堂の荘厳な石造りの建築物、旧山形師範学校の旧校舎、済生館本館(城址内)などランニングしながら名所めぐりもできる。ラン後は、いも煮・玉こんにゃく・板蕎麦と銘酒男山で「整いました」。
【富山】この街はまるで欧州の地方都市のように美しい。それは何といっても立山・剱岳連峰・薬師岳といった3000m級の北アルプスが眼前に望めるからだ(写真)。私の故郷でもあり、立山・剱岳を眼前にすると感無量になる。その美しい街中をポートラムという路面電車が行き交う。神通川や松川・いたち川といった水運にも恵まれている。ランニングコースのおすすめは、清流いたち川を下って富岩運河がある環水公園に至る小径である。いたち川流域は延命地蔵の水(湧水)や水神様など見どころ満載。ゴールの環水公園は都市のオアシスで、世界一の景観に認定された美しいスターバックスがある。
アフターランは巨大な天然のいけすといわれる富山湾の味覚だ。白エビ、甘えび、寒ブリ、ホタルイカ、ゲンゲ、紅ズワイガニなど、キトキト(活きがいい)の極上の海の恵みに舌鼓。日本酒はどれもが抜群に旨い!キタサノサー!ドッコイサノサー♪
【静岡】手軽なコースは市内中心部の駿府城址の長方形の周回コース(1.6キロ)。お濠の周りには歴史あるミッションスクール雙葉学園・英和学院や静大附属小中校があり、落ち着いた文教地区の佇まい。
しかし一番のおすすめは、駿河国総社・静岡浅間神社とその裏山・賤機山(171m)に続く小高い尾根道トレイルだ。山頂には1945年6月の太平洋戦争の静岡空襲で犠牲となった市民2千人の慰霊供養塔がある。驚いたのはその隣にもうひとつ小ぶりの慰霊塔があった。なんと米軍B29で墜落死した米兵23名を供養するものだという。現地を毎朝散歩する古老から、今も日米合同慰霊祭を執り行っていると聞いてさらにびっくり!静岡市民の心の広さと優しさに感服しきり。
【奈良】手軽な朝ランは市内中心部から近い特別史跡平城宮跡(国営公園)。復原された第一次大極殿や朱雀門が絵葉書のように奈良盆地に佇む。でも一番のおすすめは、春日山原始林の全長12キロの周遊コースだ。
この原始の森は平安時代以来、春日大社の神域として千年以上も原生のすがたを守ってきた、ユネスコ世界遺産でもある。深い森のなかには鶯の滝があり、8mほどの小滝だがさすが神域、マイナイスイオンたっぷりのパワースポットだ。神々しい森を抜けてゴールは若草山(342m)の広々とした草原高地。「あおによし奈良の都…」が一望である。正面には生駒山がどっしり。そうそう、奈良では神の使いである鹿さんにたっぷりと煎餅を与えることをお忘れなく!
【高知】幕末維新の土佐藩、坂本龍馬(私的には実直すぎる武市半平太に共感)を生んだ山之内容堂公の城下だ。市内のいたるところに志士たちの旧跡があり、それらをめぐる朝ランも楽しい。とはいえまず押さえたいのは市内中心部の高知城とはりまや橋。高知城は貴重な本丸御殿が残るのに国宝になれなかった重要文化財。はりまや橋は日本三大がっかりのひとつ(ごめんなさい)。ともあれランニングコースはこの2つが中心。
他には龍馬が泳ぎ練習をしたという清流鏡川の左岸右岸も走りやすいコース。河口近くには、川のなかに丸山台という無人島があり、朝焼けを映す川面と島影シルエットがなんとも美しい。
また、アンパンマンのふるさと(やなせたかし生誕地)でもあり、街のあちこちにキャラクター達がいて心が和む。アフターランは、ひろめ市場で藁焼き鰹たたきと銘酒司牡丹の船中八策で決まりだ。よっちょれよ♪
【熊本】おすすめコースは3つ。1つは熊本城の内外を周回するコース。城内は地元ランナー達の爽やか挨拶声があちこちでこだまする。2つは加藤清正公の菩提寺・本妙寺。朝ランしていると早朝6時頃に城下町に響くお寺の鐘の音。毎朝、鐘を突くご住職に敬意を表しに、と訪ねてみるとびっくり!なんと鐘つきは、完全自動化&機械化されていて、無人で正確に鐘の音を刻んでいた。300段の石段を登りつめると、見事な清正公像にご対面。勇猛で情けに厚い清正公は実は合理主義者だったという説を思い出した。3つは水前寺の江津湖。1日40万トンの湧水がつくり出した瓢箪型の小湖でランニングコースも快適だ。
これら3つのコースを走って感じたのは、熊本の地元ランナー達は積極的に向こうから挨拶してくれること。元気いっぱいだ。そんな街の朝ランはそう多くない。その理由をランナーに尋ねてみると「清正公の教えであり礼節です」という返事。清正公はこの地で脈々と生き続けている。
さて、如何でした?前編とあわせて私の秘密の14都市ランニングコースをご紹介しました。皆さんも是非、旅行・出張等の際には楽しんでくださいね。
でもね。一番のコースはわれらが善福寺川。四季折々の花々に彩られ、鳥や昆虫や魚や狸さんも棲息。緑豊かな長大な流域には24時間無料開放のグランドトラック(こんな陸上競技場は他にない)まで付設。加えて神田川や井の頭公園・玉川上水へのバリエーションルートも多彩だ。
全国各地大半を朝ランしている私が自信をもって日本一のランニングコースと「認定」させていただきます!
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