後期高齢者のサブ4挑戦
- 中西 俊秀
- 2022年4月23日
- 読了時間: 4分
更新日:2022年4月24日

私のフルマラソン最後のサブ4達成は2018.11月の「つくば」。その1か月後のハーフの大会で左ハムに軽い肉離れを起こし、予後も悪く、その後の約2年間はレースで30kmを過ぎた頃からその部位を起点に痙攣が起こるようになりました。その後ハムの痙攣は発生しなくなったが、加齢の影響かもしれない様々な現象に悩まされていたので、その対応策も含めて報告します。
1)内臓保護: しばしばレース翌日の便が黒くなっていること気づきました。恐らくレース前のカーボローディングや長時間走行のストレスで一時的な胃潰瘍が起こり、痛みもなく静かに出血していたのでしょう。出血すると走りのパフォーマンスは下がるでしょうから、終盤の持久力低下の一因かもしれないと考え、東京マラソンでは前日から当日朝食後まで胃粘膜保護のためセルベールを服用。これが奏功したのか、翌日は正常でした。
2)下痢防止: 2,3年前からフルマラソンで終盤に下痢の症状が散発。この頃に使用始めたエネルギー補給エイドの成分にマグネシウム 50mg/袋含まれていました。これをスタート前、20km前後、30km前後で摂取すると32km前後で腹具合がおかしくなることを、草レースで実際に再現テストをし、銘柄を変更。酸化マグネシウムはマイルドな便秘薬として用いられているので早く気付くべきでした。
3) 痙攣防止: 以前から芍薬甘草湯(ツムラの68番)を前日と当日のスタート前に服用。更に、最近は起床時とランニング後はストレッチ(特にハムとふくらはぎ)を欠かさない。
4) 低空飛行: スタート直後から5kmくらいの間でオーバーペース(設定の10秒/km以上)がよくあります。分かっていても落とせない。脚の元気なスタート直後の少しの頑張りが筋肉にダメッジを与え終盤に影響している筈と考え、東京マラソンでは特に最初の約5kmの下りのスピードを抑えるべく細心の注意が必要となります。
3/7の東京マラソンにはこれらの対策をして臨みました。
その結果、ほぼ安定したペースで増上寺(39km付近)まできましたが、その後ふくらはぎが攣りだして失速しました。結果、4:01:39で目標に100秒届きませんでした。最大の原因は高層ビル群によるGPSの誤差を見誤り、速度制御のミスでした。しかし、目標に肉薄できた実感がありました。
4/17にかすみがうらに再度挑戦。レースに向けての直前の対策に関しては前述の東京マラソンと全く同じ、結果も同じで再現性がありました。ただGPSに頼りすぎないよう、5km毎の通過予定表を腕に張り付けてチェックも怠りなく実施(目標速度は東京より平均キロ5秒アップ)。コースの前半に10~20mくらいのアップダウンが2、3か所あり、登りでは無理しないように20秒/km程度のペースダウンを心掛け、また下りでもスピードアップしないようにしました。(一緒に参加した内藤さんにはスタート前に会えなかったが、後で記録を見ると割と近くを走っていて、10~15kmの間で抜かされ徐々に離され最後は5分ほどの差がついたようです。)前半をほぼ想定通りに走り、後半は霞ケ浦の湖岸の平坦な道に出る。幸い25kmを過ぎた頃、風船をつけたサブ4のためのペーサーが集団を引き連れて追いついてきたのでその中に潜り込むことに。しかし35kmを過ぎるとこの集団から徐々に遅れだすも、ピッチ数は維持できていたので、歩かない限りサブ4の可能性が高いことは確信できました。更に、東京の際と同じように39km頃から左ふくらはぎが攣り始める。ふくらはぎだけが攣っている間は騙しながら走れることは東京で学習済み。ただ古傷の左ハムが攣りだすと以前のレースのように歩かざるを得なくなり、大失速してしまうので、陸上競技場に入るまでは薄氷を踏む思いでした。結果、3:59:09と際どいサブ4でした。ゴール地点には先にゴールしていた南部さんが我が事のように歓声を上げ大喜びで待ち受けてくれて、感激のハイタッチ。目標達成の実感が湧いた瞬間でした。
「後期高齢者でサブ4」という目標は70才台になってからの私の格好の挑戦目標となりました。サブ4から遠ざかっていたこの3年5カ月の間に、今年の東京まで計7回のフルマラソンに挑戦して悉く失敗に終わり、まさに七転八倒していましたが、今回の目標達成でまさしく「七転び八起き」となりました。今回の目標達成に向けて善福寺川ランナーズの皆様には、日曜ごとに一緒に走り、多くの温かい励ましや助言を頂きました。ありがとうございました。
シニアがランニングを楽しみ続けるということは、加齢とともに体の至る所に生じる綻びを早めに見つけて、拡がらないうちに繕い、修復する作業をし続けることだと思っています。低空飛行は覚悟の上ですがこれからは「喜寿までサブ4」を目指したいなと密かに(?笑)思っています。
※冒頭掲載の写真は、東京マラソンの田町駅付近(約37㎞地点)を力走中のものです。
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