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I’m back! 北アルプス最深部の山々

  • 南部 哲郎
  • 2022年8月13日
  • 読了時間: 4分

■当ランナーズは伝統的にランに加えて山登りも並行して楽しんできました。巨匠・直井さん&達人・松田さん主導のもと、5月はハイキング、8月は本格山行。しかしコロナ禍で近年は中断してます。またの復活を期して、私は8月初旬にふるさと富山の最深部、薬師岳、黒部五郎岳、鷲羽岳、水晶岳、雲ノ平を縦走しました。メンバーに山好きの皆さんも多いことから、以下にご報告します。少しでも参考になれば幸いです■


【1日目】・・・6:30夜行高速バスにて明け方に富山県有峰の折立に到着。車窓からは、朝焼けの立山・剱岳の雄姿が見えて、思わず、「I’m back(ただいま、帰ってきたよ)」と小声でつぶやいた。7:00出発すると、9:00に稜線の太郎平小屋到着、一気に眼前360度に日本海と北アルプスの山々が広がる。さすが晴れ男、いよいよ快晴の3000m級の稜線歩きが始まった。

11:30に薬師岳ピーク2926mを踏む。富山側は広がる日本海、雲海の向こうには加賀の白山、そして岐阜・長野側は天空を突く槍ヶ岳をはじめ、これから登頂する堂々たる黒部源流の山々・・・。待ってろよ!明日行くから!

12:30に1泊目の薬師岳山荘入り。初日は軽めの行程だ。小屋テラスで出会った登山客とビール(レギュラー缶700円)で乾杯し山談義。


するとなんとナント、今日からトランスジャパンアルペンレース(TJAR:富山湾から北・中・南アルプスを踏破し駿河湾に至る415キロ)開催で、夕刻頃には選手たちがこのテラス前を走り抜けるとのこと!宿泊客の多くはその応援・観戦目当てらしい。あの伝説のミスターTJAR望月将悟選手も出走と聞いて、小躍りして夕刻を待った。そして憧れの望月選手が元気に現れた。多くの登山客の声援に丁寧に応える望月選手。その圧倒的な存在感と気さくなお人柄に接し、私も「頑張ってください」と声援。後ろ姿の望月選手を見送ると、ナンバービブス背中に「I’m back」とマジックで走り書きがあった。そうか、私と同じ思いなんだ。レベルは天地・雲泥の差だけど・・・。なんと幸運な山行初日だろう。山の神様に感謝するしかない。


【2日目】・・・5:30薬師岳山荘を出発し、2つ目のピーク黒部五郎岳を目指す。今日も快晴で山々が一望だ。稜線をわたる風は涼風そのもの。湿原・池塘・満開のお花畑をひとり占めして北ノ俣岳を越えて、天上の楽園のような緩やかな稜線を進む。あまりの快適さについつい大声で奇声を発する無邪気な自分がいた。「I’m back!ヤッホー!」。しかし標高2500mを越えると一気にガス発生でいきなりの五里霧中。ルートファインディングもままならず。霧のなか出会った男性とYMAPを一緒に確認しながらルート修正し、11:20黒部五郎岳2840m登頂。視界ほぼゼロ、残念だけどこれも山なのである。

高度を下げてコースハイライトの黒部五郎カールはガスが晴れて、その名景ぶりを堪能できた。山頂以外は晴れで、ひたすら歩いて16:15に2泊目の三俣山荘入り。


【3日目】・・・6:00出発。あいにく一面のガスで視界はほぼなし。7:00に3座目の鷲羽岳2924m登頂、眺望もないので急ぎ水晶岳に向かう。稜線はガス(濃霧)のなか、加えて強烈な稜線越えの突風が容赦ない。メガネ・ウインドウブレーカーは、水滴でびっしょりで一気に体温を奪われる。このままでは低体温症必至。強風のなか岩陰でなんとか、ゴアテックス厚手のレインウェアに上下着替えた。猛々しい岩山の4座目の水晶岳2986mを9:40に登頂、これで当初目的の百名山4座を全踏破した。


次のお楽しみは、天上の楽園・雲ノ平である。少し高度を下げただけでそこは快晴。祖父庭園、スイス庭園、アルプス庭園など木道を快適に散策しながら、花々の溶岩台地を歩く。3泊目の薬師沢小屋には16:00到着。この小屋は黒部川本流・源流に囲まれた山小屋というより沢小屋。マイナスイオンたっぷりのなか、テラスでまた初めて出会った連中とビールで乾杯(最終泊なのでロング缶900円)」。

山に来ると、何故こんなにも人は素直で素朴で優しくなるのだろう。初めて会った老若男女が10年来の友人の如く、山談義や仕事談義に花が咲く。


【4日目】・・・5:30小屋出発し、初日に通過した太郎平小屋を経て、初日の登山口の折立に10:40到着。

無事の下山に一安心、されど山旅もこれで終わった。11:45発高速バスにて帰京に向かう。バスに乗り込んだとたん、大雨が車窓をたたきつけた。ホント、晴れ男?思わずニヤリ(笑)。そして高速バスは20:50に人込みと猛暑の新宿西口に到着した。


 さて、マラソンはよく人生にたとえられる。山登りもそうだ。私は今回の山行から3点を学んだ。一つは、どんな長く急峻な道のりでも「一歩、一歩から」ということ。2つは、「冷静なルートファインディング」である。私はいつも失敗してきた(人生も)。そして3つは、望月選手だ。「挑戦し続けること、諦めないこと」、その姿はなんとも美しく格好いい。人生、豊かに穏やかに、そして常に挑戦し続けて、いつまでも格好よく生きたいものだ。了


 
 
 

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