万里をかける
- 中西 俊秀
- 2024年11月3日
- 読了時間: 4分

私にはデータを集める癖がある。それを加工してあれこれ考えることが好きなようで、職業病に近い。ランニングの各種データもパソコンのExcelに記録している。東京マラソン(M)にダメ元で応募し、せめて完走できるようにと走り始めたその記録の第一歩は2009/8/8(土)。近所の道路を5km走ったのが最初のデータで、その8月には計6回走って走行距離が38km。最初のレースが2010.2月の東京M。その後、セキレイ橋の「善福寺川ランナーズ」の旗を見つけ4月に入会。そこで皆さんから「秋にはつくばマラソンがあるよ」とか「その前にハーフマラソンのレースを」とか助言をいただき、徐々に練習量が増えていきました。それから15年経ち、10月に78歳になりました。
そのランニングの全記録を一枚のグラフに表してみました。横軸はひと目盛(補助線)が一年で、その中を月毎に12カ月分が含まれています。
累計走行距離数(青い折線)は右縦軸の単位【万km】、月間走行距離は10倍した数字で示しており、0~350km/月の範囲にあります(グラフ一番下の黄色い折線)。月間走行距離が大きく落ち込んでいる時期は故障が発生した月で、レースで頑張りすぎた後や走行距離が伸びた(走り過ぎた)後に発生しています。なお、私は月間の走行距離目標は決めていませんが、その累計は青い右肩上がりの青いグラフでほぼコンスタントに伸びています。
走り始めて丁度15年目の今年8月に4万kmを超えました。「メートル」の定義(当初)は「地球の北極から赤道までの距離の千万分の1」でしたので北極から赤道までは1万km。つまり、地球一周が4万km(≒1万里)となります。想像しがたいことで実感は全くありませんが、赤道上地球一周を踏破したことになります。我ながら感心します。しかし善福寺川ランナーズには私よりもズーッと長年走っておられる方や、月間の走行距離300km超を目指しておられる方も多く、万里越えのランナーは数人いらっしゃる筈です。まさに時空を超える道楽ですね。
この15年間に出場したフルマラソン、ハーフ、30kmのレースの記録の推移もこのグラフに描き込んでいます(ただし、公認レースと、距離とタイムの正確な「草レース」のみ)。レース成績は左縦軸目盛で単位が【時間】。フルを上部の緑の〇、30kmを▲、ハーフを赤い〇で示しています。グラフ上では一粒に過ぎませんが、それぞれの一粒には悲喜こもごもの想い出と苦・痛と汗の塊が凝縮して詰まっています。(Excelによる走行距離とレース記録データのグラフ化が上手くできず静さんに助けていただき大変お世話になりました。)
フルは最初の東京Mの後、60才台の間はほぼサブ4で走り、サブ3.5も4回達成できPBが3:24(かすみがうらM、67才)。70歳くらいから4時間を大きく超え始めています。その中でも75才でのギリギリのサブ4達成は私の勲章です。しかしそれを最後に急激にタイムが悪くなっています。(途中棄権は1回(転倒でケガ))
ハーフは私の好きな距離です。ハーフの距離では途中で脚が攣ることもなく、ラストスパートが掛けられる程度の体力気力が残っていることも多く、ゴールした瞬間にすべてを出し切った感が得られるところでしょうか。フルの場合はそうはいかず、多くの場合30kmを過ぎた頃から足が攣り、体力気力の限界で撃沈することもしばしばです。
初ハーフはともかくとして、72歳までは多くで100分を切れました。(60歳台に3回ほど1時間50分を超えた記録は、「富士吉田火祭り」の高低差350mの特殊レース)。PBは1:33(手賀沼ハーフ、66歳)。75歳前後から2時間を切れないレースも出始め、急速にスピードの低下を来たしています。
30kmレースは60歳代では殆ど走っておらず、青梅Mか東京30K(練習会のようなレース)のみ。この他にウルトラマラソンにも野辺山71km(2014、8時間42分)、サロマ100km(2015、11時間57分)に出場していますが、体にも負担が大き過ぎ、性に合わないので封印しています。今やフルマラソンが私にはウルトラのような感覚になっています。
走力が落ち始めた後も永くレースに挑戦し続け楽しむ秘訣の一つは、伸び盛りの時期と同じように走力に合わせながら、達成が不可能ではないが少し難しい目標を常に設定し挑戦することだと思います。今後大きなケガや病気が無ければ、フルは4時間30分、ハーフは2時間を目指して挑戦を続けたく思っています。また仲間と一緒に走れることは幸せなことで、仲間がいなければこれほど永く「万里をかける」こともできなかったでしょう。ラン仲間は私の宝物です。これからの私のランナー人生の「ラストスパート」を見守っていただければ幸いです
世界一周走破おめでとうございます。データもすごいですね。特に累積走行距離の直線性は驚異的です。